腸は第二の脳と言われています。腸は丹田、腹（はら）の場所であり、英語ではガッツで、気力の源です。。腸脳相関という事もよく目にするようになっています。腸脳相関（ちょうのうそうかん）とは腸（消化管）と脳（中枢神経）が密接に情報をやり取りして、お互いの働きに影響を及ぼし合う関係のことをいい、次の3つの経路を通して「双方向」にやり取りしています

1. 基本的な仕組

・神経系：自律神経（交感神経・副交感神経）を介して、腸の動きや感覚を脳に伝える。特に「迷走神経」が重要。

・ホルモン・免疫系：腸から分泌されるホルモンや免疫物質が血液を通じて脳に影響を与える。

・腸内細菌：腸内細菌が作る物質（短鎖脂肪酸、神経伝達物質様物質など）が、脳の働きや感情に影響する。

2. どんな影響があるのか

・精神面への影響：腸内環境が悪化すると、ストレス耐性が低下したり、うつ・不安傾向が強まることが報告されています。逆に、善玉菌が多いとセロトニンなど「幸せホルモン」の生成が促され、気分が安定しやすくなります。 　（セロトニンの約90％は腸で作られています）

・消化器症状との関係：ストレスでお腹が痛くなる　緊張すると下痢や便秘になる　 などの現象も、この「腸脳相関」によるものです。「過敏性腸症候群（IBS）」は代表的な例で、精神的ストレスが腸の運動に影響して症状を引き起こします

3. 最新研究のポイント　研究分野と主な発見

・ 腸内細菌と精神疾患：特定の菌（例：ビフィズス菌、ラクトバチルス菌）が不安やうつ症状の軽減に関与。

・認知症・自閉症：　腸内環境がアルツハイマー病や自閉スペクトラム症の発症リスクに影響する可能性。

・ストレス反応：　腸の炎症や菌バランスの乱れが、ストレスホルモンの分泌を増加させることが判明。